平成27年度の展覧会(2015年4月から2016年3月)

ページID1001235  更新日 2023年2月14日

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宮西達也ワンダーランド展 ヘンテコリンな絵本の仲間たち

会期:平成27年4月25日から6月7日

チラシ:宮西達也ワンダーランド展 ヘンテコリンな絵本の仲間たち

カラフルな絵と心温まるストーリーで、子どもから大人まで多くの人々を魅了し続ける絵本作家、宮西達也(1959年、静岡県熱海市生まれ)。大胆でありながら繊細でやさしいタッチにあふれた数々の作品は、心温まるストーリー展開とあいまって、子どもから大人まで多くの人々を魅了してやみません。

小学校入学とともに自然豊かな駿東郡清水町へ移り、清流柿田川で泳いだり、カブトムシを取ったり、カエルの鳴き声を聞きながらお昼寝をしたという、子ども時代の記憶や感覚をもとに絵本作りをしています。

200万部を超える大ヒット作「ティラノサウルスシリーズ」(ポプラ社)や正義の味方がイクメンする「おとうさんはウルトラマンシリーズ」(学研教育出版)などの代表作が人気の絵本作家です。第13回日本絵本賞読者賞など受賞多数。『にゃーご』が小学校教科書(東京書籍)の挿絵など、幅広い分野で活躍しています。

精力的に絵本作品を発表する一方、講演会活動や絵本作りのワークショップを全国各地で開催しています。

今回の展覧会では、「ティラノサウルスシリーズ」や「ウルトラマンシリーズ」など代表作のほか、初期作品や秘蔵のラフスケッチなどを展示しました。

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常設展第1期 New Collection展

会期:平成27年6月13日から7月12日

写真:作品1
鬼頭鍋三郎《舞姿》1981年

今回の常設展では、平成26年度に新しく刈谷市美術館のコレクションに仲間入りした新所蔵作品をご紹介します。

平成26年度の作品収集活動では、当館にとって最も重要な収集方針である〈郷土の美術〉をはじめ、企画展開催と連動しながら特徴的なコレクションとして形成してきた絵本類の〈原画〉や前衛演劇の〈ポスター〉などを収集しました。購入や寄贈、寄託によってその収集数は約1000点に上ります。
本展ではその中から、大正から昭和にかけて活躍した洋画家・鬼頭鍋三郎が舞妓を描いた最晩年の傑作や、当館では初めての所蔵となる島田卓二や三岸節子の洋画作品、戦後に前衛的で個性的な作品を制作した伊藤利彦や山田彊一の作品や、赤瀬川原平や横尾忠則らが1960年代に手がけた前衛演劇のポスターなど、計26点の作品を展示します。

イエラ・マリ展 字のない絵本の世界

会期:平成27年7月18日から8月30日

チラシ:イエラ・マリ展 字のない絵本の世界

1950年から60年代、経済成長期のミラノは、イタリアのデザイン発信地となりました。そのような時代に制作を始め、10冊に満たない絵本で忘れえない作家となったイエラ・マリ(Iela Mari、1931年から2014年)。
その知られざる生涯と絵本の制作過程に迫る展覧会です。

美術学校で絵画を学んだイエラは、1960年代半ばまで生活を共にしたデザイナーのエンツォ・マリとともに、子育てをしながら新しい子どもの本の構想を練り、1960年、字のない絵本『りんごとちょう』を発表しました。その後、イタリアの子どもの本に大きな足跡を残したエンメ出版から、代表作『あかいふうせん』『木のうた』を含め、1980年までに8冊を発表します(うち2冊はエンツォとの共作、『りんごとちょう』改訂版を含む)。そして、多くを語ることないまま、イエラは2014年1月に逝去しました。

テキストに頼ることなく、生命の循環や形態の移り変わりを絵が物語っていくその絵本は、現在も多くの人たちに影響を与えつづけています。本展では、貴重な絵本原画や試作本などからイエラ・マリの仕事に迫りました。
また、各国で出版されている様々な「字のない絵本」をあわせて紹介しました。

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及川正通〈特大号〉展

会期:平成27年9月19日から11月8日

チラシ:及川正通〈特大号〉展

エンタテインメントのあらゆる情報を掲載し、都会の若者たちから支持を集めたタウン情報誌『ぴあ』。イラストレーター・及川正通は、その表紙を1975(昭和50)年から2011(平成23)年の休刊まで、休むことなく描き続けてきました。俳優、ミュージシャン、スポーツ選手など、その時々に輝く有名人をユーモラスにデフォルメし、遊び心あふれるパロディ的な発想で描いたイラストレーションは、36年間で約1300点にのぼります。まさに『ぴあ』の“顔”となったその表紙は、世代を超えて多くの人々に記憶されていることでしょう。

今回の展覧会では、及川自身が年代ごとに厳選した『ぴあ』の代表作はもちろん、『ぴあ』以前の仕事として、デパート広告など初期のグラフィック・デザインのほか、寺山修司が率いたアングラ演劇のポスター、音楽雑誌を飾ったロック・ミュージシャンのイラストレーション、『平凡パンチ』『PLAYBOY・日本版』『GORO』といった男性誌に連載した刺激的な劇画などを展示しました。

さらに、長年のキャリアの集大成として現在取り組んでいる大作《ドリーム・マップ》シリーズの最新作を初公開するなど、『ぴあ』休刊後の近作もご紹介します。

1960年から70年代に相次いで創刊した若者雑誌をおもな舞台に展開してきた及川ワールド。当時の流行や話題の出来事、サブカルチャーなど、若者文化の先端に鋭く切り込んだエネルギッシュなその全貌を、“特大号”というべき約400点におよぶ作品や資料などでたっぷり紹介しました。

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常設展第2期 没後30年 宮脇晴と同時代の画家たち

会期:平成27年11月14日から12月13日

写真:作品2
宮脇晴《[静物 みかん]》1918年

今回の常設展では、大正から昭和にかけて活躍した愛知ゆかりの洋画家・宮脇 晴(1902年から1985年)の没後30年を記念して、その画業を振り返る特集展示を行いました。

名古屋市に生まれた宮脇は、13歳の時に病気療養のため転居した知多で大澤鉦一郎と出会い、画家として歩み始めます。大澤ら地元の青年たちが1917(大正6)年に結成した洋画研究グループ「愛美社」に若干15歳で参加し、彼らと共に人物画や風景画、静物画などの主題に取り組み、徹底的な写実表現を追求しました。

「愛美社」解散後は春陽会に出品を重ね、会員となった1953(昭和28)年には名古屋春陽会研究所を設立するなどして活躍しました。また、昭和に入った頃から形態を簡略化した作風へと変化し、鮮やかな色彩を用いたのびやかな線で、自画像や家族像といった身近なモチーフを描きました。

本展では、70年にわたる宮脇の画業をご覧いただけるほか、同時代に活躍し「愛美社」にも大きな刺激を与えた岸田劉生や、「愛美社」創立会員の大澤鉦一郎や山田睦三郎、中部春陽会を共に立ち上げた上原欽二など、関連作家の作品もあわせて紹介しました。

常設展第3期 市制65周年記念 河目悌二展

会期:平成28年1月5日から2月21日

写真:みんないきをする『観察絵本キンダーブック「いきもの」』原画 1954年

刈谷市は1950(昭和25)年に誕生し、今年で65周年を迎えました。そこで今回の常設展では、刈谷出身の童画家、河目悌二(1889年から1958年)が同時代に描いた幼年雑誌の原画などを紹介します。

大正期から第二次大戦後には、芸術性の高い子ども向け雑誌が数多く誕生しました。そのような時代に、河目は、小林商店(現・ライオン株式会社)に勤め、子ども用歯磨きの広告などを手がける傍らで、子ども向け雑誌『トモダチ』『観察絵本キンダーブック』『子供之友』などで挿絵を描いて活躍し、戦後は『こどもクラブ』や『世界名作童話全集』で筆をとり、殺伐とした時世に穏やかで温かい作品を送り続けました。

的確なデッサンと、水彩や油彩による柔らかな色彩は、親しみやすい印象を与えます。描かれた子どもたちの遊びや年中行事の様子を通して、市制施行当時の子どもたちの生活を振り返りました。

図版=河目悌二《みんないきをする『観察絵本キンダーブック「いきもの」』原画》1954年

常設展第4期 ゾクッ!? 奇怪な絵の誘惑

会期:平成28年2月24日から4月10日

写真:作品3
星野眞吾《暗い部屋》1989年

今回の常設展では、当館コレクションの中から思わずゾクッ!?とするような奇怪な作品を集めて紹介しました。

言葉では言い表せないような怖さや怪しさを感じさせる作品が目に留まりますが、そこには幽霊や妖怪が描かれている訳ではありません。異形の生き物やグロテスクな人物、非現実的な場面を描いた絵画もあります。

一方で、戦時下の壮絶な記憶を表現したり、社会の不条理さを指摘するなど、作家自身の体験に基づいたものも。
こうした惨状を描いた作品からは、人間の情念がいかに世の中を左右してきたかを感じることになるでしょう。人間こそ恐ろしく、不可思議でもっとも興味深い存在なのです。

作品を観ながら作家が込めたメッセージや時代背景などを想像し、ゾクッ!?とさせる理由を探ってください。
不気味で謎めいた作品たちが、あなたを奥深い絵画世界へ導いてくれることでしょう。

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