平成7年度の展覧会(1995年4月から1996年3月)

ページID1001255  更新日 2023年2月16日

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石垣定哉展

会期:平成7年4月29日から5月14日

チラシ:石垣定哉展

石垣定哉は、具象から抽象的構成へと現代における絵画表現の可能性をひたむきに追求しつづける画家です。彼は、1947(昭和22)年三重県に生まれ、1966(昭和41)年愛知県立芸術大学油画科に入学。小磯良平、笠井誠一教室で学びました。1970(昭和45)年卒業後は、白日会を中心に活動を開始し、初期は、抑えた色調で静物や人物を細やかに描きました。

1975(昭和50)年に、自らが目指す絵画世界を求めてニューヨークへ渡り、プラット・インスティチュート大学版画科に留学。シュールレアリスム調の人物や風景、繊細な点と線からなる分割描法など、さまざまな作風に取り組み自己の世界を模索しました。帰国後、故郷・員弁にひろがる田畑風景や多度山、藤原岳など身近な風景に眼を向け、豊かな自然の姿をやわらかな色彩で風物を塗り込めるように詩心ある筆致で表現しました。

1986(昭和61)年第21回昭和会賞を受賞するなどますますその評価を高め、この年南仏やスペインへ渡欧し、しだいに色彩の強く冴えた画風をつくりだしました。そして画家の心を魅了してやまないモチーフ、ニューヨークが登場します。ブルックリンなどの下町、マンハッタンの空を彩るエンパイヤ・ステートビルなど。一刻もとどまることのないエネルギッシュな都市の素顔を、ステンドグラスのように澄んだ輝きにみちた色彩で象徴的に描き出しています。それは、「ひとつの色面、それもそれぞれの色彩を混ぜることのない色の面で描いた」彼自身が体感したニューヨークそのものなのです。

この展覧会では、白日会展への出品をし始めた初期の作品から新作のニューヨーク・シリーズにいたる油彩画を中心に、水彩画、素描を含めた100余点の作品により、石垣定哉が創り出す絵画世界の全貌を紹介しました。

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第13回 衣浦東部美術展

会期:平成7年6月7日から6月18日

衣浦東部地域(碧南市・安城市・知立市・高浜市・刈谷市)で活躍する100人の作家たちによる日本画、洋画、書、写真、彫刻、工芸作品、100点を紹介します。

この展覧会は、当美術館が開館した昭和58年6月に、開館記念展として開催しました「郷土作家百人展」を受け継ぐものです。平成59年度より現在の「衣浦東部美術展」と名称を改めて、平成20年度の第25回展まで開催しました。

第12回 愛知教育大学美術教室・総合造形コース教官展(愛知教育大学 美術教育講座 教官展)

会期:平成7年6月21日から7月2日

刈谷市内にある愛知教育大学の美術教室・総合造形コース(美術教育講座)の教官有志による絵画、彫刻、工芸など多彩な作品を紹介しました。
昭和59年度から平成16年度の第20回展まで毎年開催しました。

智内兄助展

会期:平成7年7月18日から8月6日

チラシ:智内兄助展

智内兄助は、1948(昭和23)年愛媛県越智郡波方町に6人兄弟の末っ子として生まれました。今治西高校を経て東京芸術大学に進み、在学中の1971(昭和46)年にはシェル美術賞展で佳作賞を受賞するなど早くから活躍しました。

1974(昭和49)年に東京芸術大学大学院を修了後は本格的に画業に専念し、国内外の主要な展覧会、有力コンクールで数々の受賞を重ね、1987(昭和62)年の第30回安井賞展で人気投票による特別賞、1990(平成2)年には第33回安井賞展で佳作賞を受賞するなど現代画壇の実力派の一人として高く評価さています。また、1992(平成4)年3月から1993(平成5)年4月にかけて、毎日新聞朝刊連載小説「藏」(宮尾登美子作)の挿絵を担当し、大人気を博しました。

彼は、1980年代初頭から愛娘をモデルに、和紙にアクリル絵の具という特異な描法で着物姿の童女シリーズを連錦と描きつづけています。一見、日本画と見まごう伝統的様式美と洋画の技法が巧みに混合された画面は、計算されつくした巧緻な図柄と相俟って、鑑賞者を現実から妖しい白昼夢へと誘い込みます。

この展覧会では、1980年代以降の油彩画の代表作に「藏」の挿絵原画を加えた100余点により、智内芸術の優美で幻想的な美の世界を紹介しました。

第10回記念 風景の会特別展 「平成の富嶽百景を描く」

会期:平成7年8月23日から9月3日

チラシ:第10回記念 風景の会特別展 「平成の富嶽百景を描く」

1986(昭和61)年に東海地方の作家が所属団体や会派を超えて「風景の会」を結成しました。各回それぞれテーマを設けて開催し、平成7年度は第10回記念展として、「平成の富嶽百景」と題し現代の富士100景を展覧しました。当館では、昭和62年度の第2回展から平成7年度の第10回展まで開催しました。

刈谷市美術館 収蔵品展

会期:平成7年8月23日から9月3日

刈谷市美術館の収蔵品の中から、風景画を8点展示しました。

童話の国からおくりもの H.C.アンデルセンの世界展

会期:平成7年9月23日から10月29日

チラシ:童話の国からおくりもの H.C.アンデルセンの世界展

〈童話の王さま〉として世界中の人々に今なお愛され、読みつがれているH.C.アンデルセン。彼は、1805年デンマーク・フェン島の旧都オーデンセに生まれました。14歳のとき俳優になるためコペンハーゲンへ出ますが認められず、その後苦学をしながら作家になることを決意しました30歳のとき最初の小説「即興詩人」が評価され、後の「子どものために語って聞かせるお話」によって童話作家としての世界的な名声を得ました。

苦しい時代にも子どもたちにお話を語ることを好み、生涯独身の孤独な生活の中でも夢みる心を忘れなかったアンデルセン。貧苦と放浪、愛と失恋。アンデルセンの童話のほとんどは、昔話を再現化したグリム兄弟の童話と異なり、苦悩に満ちた自分の人生体験からの創作によって生み出された「おやゆび姫」「にんぎょ姫」「赤いくつ」「マッチ売りの少女」など、70年の生涯を通じて156篇もの傑作童話を世に送りだしました。

このようなアンデルセン童話の視覚化は、生前、童話集に自ら選んだ二人の画家ヴィルヘルム・ペーダセンとローレンツ・フローリクによって始まりました。その後も、アンデルセンの繊細な表現によるイメージ世界に、たくさんの画家たちが創造力をかきたてられ、その視覚化に取り組んできました。

この展覧会では、アンデルセン童話に焦点を当て、13人の絵本画家によるイラストレーションにデンマークや欧米、日本などで出版された童話集や絵本などをあわせた約220点を展示し、アンデルセンの美しい物語に心ひかれた画家のみずみずしい感覚と個性がおりなすメルヘンの世界を紹介しました。

図録「童話の国からおくりもの H.C.アンデルセンの世界展」販売中

絵っせい'95展

会期:平成7年12月22日から平成8年1月28日

チラシ:絵っせい'95展

新しい日本人の創造世界を求めて、平松礼二、平岩洋彦、栗原幸彦、櫻井孝美、北久美子、掛川孝夫の6作家が日本画、洋画、それぞれの所属団体や会派を超えて平成3年度に「絵っせい展」を結成しました。メンバーはいずれも各団体展、山種美術館賞展、安井賞展などに出品、受賞するなど次代を担い精力的に活躍しています。

この展覧会は、各作家の意欲的な創作活動における現在の作品を展示し、新しい時代への期待と可能性の展望をひらこうとするものです。当館では、平成4年度から平成7年度まで毎年開催しました。

第3回 刈谷市美術館所蔵品展 一字書の美 戸田提山展

会期:平成8年2月28日から3月24日

現代書の新たな可能性を追及する「少字数書」の代表作家・戸田提山の展覧会を開催しました。

大正6年に愛知県安城市に生まれ戸田提山は、昭和12年岡崎師範学校を卒業後、教職につく一方、書への道を志し、手島右卿に師事しました。昭和26年第一回日本書作院展にて特賞を受賞するほか、、毎日書展、日展などを中心に活躍しています。近代性、国際性、創造性、伝統性の観点から「少字数書」の魅力を刻むその作品は、人々の心を捉え続けています。

この展覧会では、当館の所蔵作品する中心とする18点を展示し、墨色がおりなす一字書の美を紹介しました。

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