平成25年度の展覧会(2013年4月から2014年3月)

ページID1001237  更新日 2023年4月19日

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開館30周年記念「コレクションの森」展

会期:平成25年4月20日から6月2日

チラシ:開館30周年記念「コレクションの森」展

昭和58年に開館した刈谷市美術館は、平成25年6月で開館30周年を迎えました。これまでに様々な企画展を開催するとともに、地域の皆さまの創作活動を発表するギャラリーとしての役目も担い、多くの方々にご利用いただきました。また、愛知ゆかりの作家の作品など、当地域を中心にした近・現代美術の収集活動を継続的に行い、コレクションの拡充を図ってきました。日本画、洋画、版画、彫刻のほか、絵本原画といった多様なジャンルの作品の収集にも努め、現在では、およそ1,800点の作品を収蔵しています。

開館30周年を記念する今回の展覧会では、選りすぐりのコレクション約150点を一挙に展示しました。美術館の全展示室を会場にしたコレクション展は初の試みであり、主要な作品や人気作品はもちろん、普段あまり紹介できなかった作品、新収蔵作品も披露しました。あわせて、これまでの展覧会を振り返るとともに、皆さまからお寄せいただいた30周年へのメッセージも紹介し、美術館の歩みをたどる記念展となりました。

常設展第1期 ふしぎなせかい

会期:平成25年6月8日から7月14日

写真:作品1
桂川寛《魚眼の風景》1966年

馬や魚の顔をした人間、亡者のような影、水中なのか地上なのかさえ分からない場所、リアルに表現されながらもどこか現実感のない世界…。こうした美術ならではの「不思議」が感じられる作品を当館収蔵作品の中から展示しました。
画家たちは、戦後の混沌とした社会や急激に発展する世の中の歪みをとらえようとしたり、遠い記憶の断片や生きる証を画面に残そうとしたりするなど、さまざまな角度から絵画制作に取り組んでいます。画家の内面世界へいざない、異空間へと引き込むような不思議な世界を紹介しました。

刈谷城築城480年記念展(刈谷市文化振興課事業)

会期:平成25年7月27日から8月25日

チラシ:刈谷城築城480年記念展

刈谷城が築城されて480年。水野家にまつわる資料を中心に、刈谷城の歴史をさまざまな角度から紹介。また天誅組の義挙から150年を迎えるにあたり、松本奎堂をはじめとする志士の活躍についても関連資料を展示しました。

生誕100周年記念 中原淳一展

会期:平成25年9月14日から11月3日

チラシ:生誕100周年記念 中原淳一展

可憐な少女像、清新なファッションやライフスタイルの提案などで戦前・戦後の女性たちに絶大な支持を受けた中原淳一(1913年から1983年)。弱冠19歳にして雑誌『少女の友』で挿絵画家としてデビューし、大きな瞳の可憐な少女像で一躍人気作家となりました。

戦後は、『それいゆ』『ひまわり』といった雑誌を創刊し、編集者としてだけでなく、イラストレーター、ファッションデザイナー、ヘアメイクアーティスト、インテリアデザイナー、作詞家などとしても多彩な才能を発揮しました。中原の作り出す誌面には、季節ごとの装いのアドバイスはもちろん、ちょっとした工夫で豊かに暮らすアイデアや、国内外の文化芸術の紹介などが詰め込まれており、戦後の混乱した時代に宝石のような輝きを放ち、女性たちの熱狂的な支持を得ました。外見だけでなく内面を磨いてこそ、女性らしく、人らしく生きることができる、真の意味での「美しく生きる」という中原からのメッセージは、今なお色褪せず私たちの心に響きます。

生誕100周年を記念する今回の展覧会では、各雑誌の表紙原画やスタイル画、人形、付録など約400点を展示し、中原の時代を超えて愛され続ける多彩な仕事を紹介しました。初公開となる『ひまわり』の表紙原画3点をはじめ、中原が提案した「少女の部屋」や、ファッションデザイナー・丸山敬太氏によるシンデレラのドレスの再現も好評をいただきました。
また、大正から昭和の少女雑誌で人気を博した挿絵画家たちの表紙絵や口絵など資料を特別展示し、中原を含む抒情画家の系譜も紹介しました。

常設展第2期 わたしのベストセレクション!

会期:平成25年11月9日から12月8日

イラスト:30周年ロゴ

来館者が出品作品を選ぶ「わたしのベストセレクション!」として、皆さまから寄せられたアンケートをもとに、人気のあったトップ10の作品を公開しました。

世代も趣味趣向も異なるさまざまな来館者の意見が反映された“もうひとつの名品展”といえる本展では、各々の逸品に対する思い出話やコメントも合わせて紹介することで、作品に向けられる多様な視点や価値観を楽しみながらご鑑賞いただきました。

井上洋介図鑑 漫画、タブロー、絵本

会期:平成26年1月11日から2月23日

チラシ:井上洋介図鑑 漫画、タブロー、絵本

井上洋介(1931年から2016年)は、漫画家、画家、イラストレーター、そして絵本作家と、多彩な分野を横断し、幅広く活躍しています。ペンや毛筆などで執念深く描かれたその作風は、早くから「エログロ・ナンセンス」と称され、ひと目で井上作品とわかる強烈な個性を発揮しています。

1931(昭和6)年に東京に生まれた井上は、幼い頃から画家を志していました。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)西洋画科在学中の1950(昭和25)年、読売新聞に投稿した漫画で注目を集めるようになり、小島功や長新太らの評価を受けて独立漫画派に参加、漫画家として歩み始めます。

1963(昭和38)年には初の漫画集『サドの卵』を発行、1965(昭和40)年には一連のナンセンス漫画で第11回文藝春秋漫画賞を受賞する一方、1950(昭和25)年頃から雑誌『母の友』などでカットや童話の挿絵も描き出します。さらに戦後、時代と対峙した前衛美術家として新制作展や読売アンデパンダン展、人人展に出品し、タブローも描き続けてきました。

1960(昭和35)年には初の絵本『おだんごぱん』を発表、1969(昭和44)年からは今なおロングセラー絵本として子どもたちから愛されている『くまの子ウーフ』シリーズの挿絵を手がけ始めました。そして、現在も数多くの絵本を精力的に制作しています。

今回の展覧会では、井上洋介の初期から現在までの代表的な仕事を取り上げ、多岐にわたる井上の創作活動を、「漫画」「タブロー」「絵本」「さまざまな仕事」という4つの構成に分けて、その全貌を紹介しました。60余年におよぶ長いキャリアを積み、自身を取り巻く時代や描法は移り変わっても、戦災の記憶を表現活動の核に据える井上洋介。貴重な漫画原画をはじめ、卒業制作の油彩画や自作の絵本原画などにより、「俺は俺」とわが画道を貫き通す奇想天外な魅力を紹介しました。

常設展第3期 宇野亜喜良展 本にみる少女譚

会期:平成26年3月1日から4月13日

写真:作品2
絵本『くらくらしちゃった』原画 1977年

宇野亜喜良(1934年、名古屋市生まれ)は、現代日本を代表するイラストレーターです。昭和25年頃からの企業広告をはじめ、小説や絵本のイラストレーション、雑誌の表紙や書籍の装丁、前衛演劇のポスター、舞台美術など、広範囲の分野で活躍し、多様な表現スタイルと優れたデザイン感覚によって戦後のイラストレーション界をリードしました。

今回の常設展は、作品収蔵記念として昨年度に開催した「宇野亜喜良ポスター展」に続く、第2弾の特集展示です。絵本や雑誌などの書籍に関連した仕事に焦点を当て、中でも宇野作品を特徴づけている“少女”をモチーフにした選りすぐりのイラストレーションや資料など約60点を展示しました。

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