平成14年度の展覧会(2002年4月から2003年3月)

ページID1001248  更新日 2023年2月15日

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メイプルソープ&アラーキー 百花乱々展

会期:平成14年4月27日から6月2日

チラシ:メイプルソープ&アラーキー 百花乱々展

私たちは「花」という言葉を聞いて、たいてい「美しい」あるいは「かわいい」という言葉を連想します。こうした花たちは写真の発明に関与した初期の写真家ばかりでなく、現代の写真家にとっても、もっともポピュラーな「モデル」の一つです。身近にある美しい素材だからというのがその理由であることは間違いありません。

しかし、それだけの理由で、写真の歴史が始まって以来150年以上もの間、これほど多くの写真家が花を撮ってきたのではないはずです。花を凝視し、カメラに閉じ込め、印画紙に解き放つ作業を通して、花は「花」ではなく、別の何かに変わる可能性をその美しさの裏側に秘めているのです。しかもその変容の度合いが「美しさ」や「かわいさ」という言葉からかけ離れたものになる可能性をも含んでいます。それは手ごわい、しかし何とも興味深い素材なのです。

この展覧会では、日本とアメリカを代表する二人の写真家、荒木経惟とロバート・メイプルソープのさまざまな花の写真約140点を紹介しました。
感覚と感情に直接的に訴えていく、豪華でダイナミックな「バロック」の荒木の花に対して、メイプルソープのものは端正で、しかもその静謐さと緊張感によって鑑賞者の心を揺さぶる「古典主義」の花と言えるでしょう。動と静、湿と乾…両者の花の作品には多くの違いがあります。

しかし二人はマスカルチャーという時代を舞台とし、自らのエロスを見つめ、タブーの枠を押し広げ、スキャンダラスな写真家という定評を持つなど、いくつもの共通点を持つ東西のカルト的存在の写真家でもあります。

第18回 愛知教育大学美術教室・総合造形コース教官展(愛知教育大学 美術教育講座 教官展)

会期:平成14年7月17日から7月28日

刈谷市内にある愛知教育大学の美術教室・総合造形コース(美術教育講座)の教官有志による絵画、彫刻、工芸など多彩な作品を紹介しました。
昭和59年度から平成16年度の第20回展まで毎年開催しました。

刈谷市美術館収蔵品展 美術館で夏休み

会期:平成14年7月31日から9月8日

子どもたちの夏休みにあわせて、当館の収蔵作品を紹介した展覧会を開催しました。

自然のかたち、想像のかたち。作家たちは自分だけのかたちを求めて作品を創り出しています。今年の収蔵品展は、〈かたちいろいろ〉と題して、作品を構成しているかたちを手がかりに収蔵作品約15点を紹介しました。

なお、会期中には、《つくる⇔みるプログラム》として『ネガ・ポジちょうこく』、『キュービック・パズル』(講師:山口百子氏)の開催、《いつでもできるプログラム》として『かたちでカード』を行いました。

《出品作家》
北川民次、島田章三、石垣定哉、島田鮎子、星野眞吾、大野俶嵩、久野真、浅野弥衛

同時開催 天野裕夫彫刻展

会期:平成14年7月31日から9月8日

チラシ:天野裕夫彫刻展

陶や金属、異素材の組み合わせによって、内部構造を持つエネルギッシュな彫刻を生み出し続けている天野裕夫の展覧会を開催しました。

1954(昭和29)年岐阜県瑞浪市に生まれた天野裕夫は、幼い頃から粘土遊びが大好きな少年でした。自らの手で粘土をこねて、削って、くっつけて、そして、また削って…湧き上がるイメージを素材との対話によって素早く形にしていく制作姿勢は、今も変わらずに続いています。

天野裕夫の作品は、1998(平成10)年に当館で開催した「わくわく美術館 ふしぎないきものたち展」においても紹介しましたが、今回の「天野裕夫彫刻展」では、窓外とのつながりが楽しめるロビースペースと、次々に作品が生み出されるアトリエをイメージして展示作業を行なった展示室内の2ヵ所にて開催します。

自然光がそそぐロビースペースとスポットライトを効かせた展示室内。対照的な2ヵ所の空間にて、近作を中心とした約40点によって奇想天外な天野ワールドを紹介した展覧会です。
なお、会期中には、作家を講師として招き《つくる⇔みるプログラム》として『ネガ・ポジちょうこく』を開催しました。

中村正義と交友の画家たち展 人人会創立の頃

会期:平成14年9月21日から11月3日

チラシ:中村正義と交友の画家たち展 人人会創立の頃

人人会は、中村正義、星野眞吾、山下菊ニ、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三によって、1974(昭和49)年に創立されました。同年6月、日本橋三越で最初の展覧会「黒い太陽・七人の画家たち-人人展」が開催され、日本画、洋画というジャンルを越えた画家集団が誕生したのです。

人人会結成に関わる中心人物は、愛知県豊橋市生まれの中村正義(1924年から1977年)です。中村は、1960(昭和35)年36歳の若さで日展審査員になるなど早くから注目されましたが、日展の封建性に疑問を感じ、翌年には脱退してしまいます。そして、中村は矢野純一らとともに1963(昭和38)年に新しい日本絵画の創造を目指す作家を集めた「日本画研究会」を発足させました。やがて、彼は先鋭的な画家集団をつくりたいという構想を抱きはじめ、中村のこうした思いを結実した形が人人会創立と言えます。

人人会は、『自由な創作活動を希求する個々の作家とその連帯に支えられたグループ活動』を目指した団体であり、中村と旧知の間柄であった星野眞吾(1923年から1997年、豊橋市生まれ)もパンリアル美術協会を経て、中村に共感し行動をともにします。星野と同じくパンリアル美術協会の創立会員であった三上誠(1919年から1972年、大阪市生まれ)は、第1回人人展を待たずに逝去しますが、結成に関わりました。

この展覧会では、中村正義を軸として星野眞吾、三上誠を中心に取り上げ、1960年代から1974(昭和49)年の人人会結成に関わる約10年間の画業を作品や資料で振返りながら、人人会創立会員である山下菊二、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三の第1回人人展の出品作品など、約100点を紹介しました。

《出品作家》
中村正義、星野眞吾、三上誠、山下菊二、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三

図録「中村正義と交友の画家たち展 人人会創立の頃」販売中

第19回 衣浦東部美術展

会期:平成14年12月19日から平成15年1月19日

衣浦東部地域(碧南市・安城市・知立市・高浜市・刈谷市)で活躍する100人の作家たちによる日本画、洋画、書、写真、彫刻、工芸作品、100点を紹介します。

この展覧会は、当美術館が開館した昭和58年6月に、開館記念展として開催しました「郷土作家百人展」を受け継ぐものです。平成59年度より現在の「衣浦東部美術展」と名称を改めて、平成20年度の第25回展まで開催しました。

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