平成24年度の展覧会(2012年4月から2013年3月)

ページID1001238  更新日 2021年2月25日

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加藤久仁生展

会期:平成24年4月21日から6月3日

チラシ:加藤久仁生展

2009(平成21)年に「つみきのいえ」で、日本人初の米国アカデミー賞短編アニメーション賞を獲得した加藤久仁生の作品を紹介しました。少年時代から絵を描くことが好きだった加藤は、多摩美術大学在学中に内外の豊かなアニメーションに触れ、自らの表現手段としてアニメーションを選ぶようになり、自主制作で頭角を現し、比類ない描写力と世界観が大きな注目を集めました。同大学卒業後、2001(平成13)年に映像制作会社の株式会社ロボットに入社し、アニメーション作家を集めた同社「アニメーションスタジオゲージ」に所属して、テレビ番組やwebアニメーションなどを手がけるようになります。2007(平成19)年から約1年間を費やした「つみきのいえ」では、静けさの漂う映像に心温まるストーリーが展開され、世界各地で大きな喝采を浴びました。

初の本格的な個展となる今回の展覧会では、「つみきのいえ」のアニメーションをはじめ、アイディア・スケッチや絵コンテ、動画、背景画などの資料、ベストセラーとなった絵本『つみきのいえ』(白泉社)の原画を展示し、その制作過程をたどりながら作品の余白にあふれ出る魅力に迫りました。また、初期の作品のほか、「つみきのいえ」以降に温めてきた構想として、今展覧会用に制作したオムニバス形式の短編アニメーション「情景」を披露し、現在、絵本雑誌『MOE』(白泉社)で連載中の「あとがき」のスケッチや原画も公開しました。加えて、デザイナー・小泉誠が「つみきのいえ」をイメージして制作した木製の展示ケースもあり、ほのぼのとした心地よい雰囲気に満たされた会場となりました。

常設展第1期 New Collection 新収蔵作品を公開!

会期:平成24年6月9日から7月15日

写真:作品1
中村正義 《樹》 1955年

平成23年度に当館のコレクションに仲間入りした新収蔵作品を展示しました。戦後の日本画壇の風雲児・中村正義の初期作、郷土ゆかりの城景都や木村昭平の代表作、和田英作が描いた知立の風景、宇野亜喜良や田島征三の絵本原画などを展示しました。

太田幸夫の絵文字デザイン展

会期:平成24年7月21日から9月2日

チラシ:太田幸夫の絵文字デザイン展

駅や店で見かける非常口やトイレ、エレベータのマークなど、私たちはさまざまな絵文字に囲まれて暮らしています。こうした絵文字は「ピクトグラム」と呼ばれ、言語や年齢、文化などのちがいを超えて、より多くの人が直感的にその意味を理解できるようにデザインされています。情報やモノがあふれ、環境が複雑化する現代社会には欠かせない図記号(グラフィックシンボル)の典型で、施設の案内に使われるほか、携帯電話や自動車の操作、禁止や危険を知らせる標識など、製品から建物、街づくりに至るまで幅広く活用されています。

この展覧会では「非常口」の絵文字で知られるグラフィックデザイナー・太田幸夫(1939年、刈谷市生まれ)が実践するビジュアル・コミュニケーション・デザインの仕事を、さまざまな絵文字のパネルや制作過程を示す資料、写真、映像、製品、書籍などで紹介します。加えて、太田幸夫が委員長として国家規格の原案を作成した蓄光式の避難誘導システムを真っ暗な部屋で体験できるコーナーなど、驚きや発見のある展示も用意しました。
だれもが安全に安心して豊かに暮らせる生活環境について「いのちを守る絵文字」「目で見ることば」「景観と絵文字」「シンボルマーク」など、デザインの役割と可能性からあらためて見つめなおす展覧会となりました。

猪熊弦一郎展『いのくまさん』

会期:平成24年9月15日から11月4日

チラシ:猪熊弦一郎展『いのくまさん』

猪熊弦一郎(1902年から1993年)は香川県高松市に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)で藤島武二教室に学びました。1936(昭和11)年新制作派協会(現・新制作協会)を結成、1938(昭和13)年に念願の渡仏を果たしアンリ・マティスに師事します。
1955(昭和30)年からは20年にわたりニューヨークで活動、ニューヨーク近代美術館等に作品が収蔵されるなど現地でも高く評価され、その後東京とハワイを拠点として90歳まで精力的に創作に取り組みました。

絵本『いのくまさん』(小学館)から生まれた今回の展覧会では、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が所蔵する作品約120点を展示し、絵画にとどまらず、彫刻、おもちゃなど、ものづくりが大好きだった猪熊弦一郎の多彩な作品を、詩人・谷川俊太郎による簡潔で美しい文とともに紹介しました。

また、展覧会に関連した子ども向けワークショップを行うほか、あいちトリエンナーレ地域展開事業「キッズ・ワークショップ」に参加するなど、美術教育及び地域の美術振興の面でも評価を受けた展覧会となりました。

常設展第2期 モノクロームの世界

会期:平成24年11月10日から12月16日

写真:作品2
平川敏夫《暮雪叢林》1988年

今回の常設展では、日本画や洋画、鉛筆デッサン、金属を使った絵画など、ジャンルにこだわらずモノトーンの作品をセレクト。白から黒の濃淡のみの表現は、線や形が強調され、時に色を感じることも…。モノトーンだからこそ際立つ迫力や繊細な表現を紹介しました。

常設展第3期 宇野亜喜良ポスター展

会期:平成25年1月8日から2月24日

ポスター:宇野亜喜良《「演劇実験室・天井桟敷パリ公演 毛皮のマリー」》1971年

戦後を代表するイラストレーター・宇野亜喜良。企業広告や60年代のアングラ演劇など、初期から最近作までのポスターを一堂に展示し、斬新で耽美なイメージを創出し続けるAQUIRAXの世界を紹介しました。

宇野亜喜良《「演劇実験室・天井桟敷パリ公演 毛皮のマリー」ポスター》1971年

常設展第4期 水の表情

会期:平成25年2月26日から4月7日

写真:作品3
和田英作《逢妻風景》1946年

海や川、雨など私たちにとって身近な存在の「水」にまつわる作品を展示。穏やかに輝く川面や雨に霞んだ情景、ぬれたアスファルトなど、作品によってさまざまに変化する「水の表情」を紹介しました。

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