平成10年度の展覧会(1998年4月から1999年3月)

ページID1001252  更新日 2023年7月5日

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筧忠治展

会期:平成10年4月25日から5月17日

チラシ:筧忠治展

1908(明治41)年愛知県一宮市に生まれた筧 忠治(かけひ ちゅうじ)は、幼い頃、名古屋に転居し、以来当地に在住しています。高等小学校卒業後、愛知県測候所(現・名古屋地方気象台)に勤めはじめ、16歳の頃、帝展の若手作家として活躍していた松下春雄と出会い、サンサシオンの美術研究所に通うようになります。

しかし、自分の求める方向性との違いを感じた筧は、翌年には中部画壇の先駆者のひとりである鈴木不知の研究所に移り、そこで目にした画集を通じてレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、デューラーといった画家たちの仕事に大きな影響を受けました。不知の研究所を去った後は、数回公募展に出品しますが、独学ともいえる画道をひたむきに歩んできました。

この展覧会は、独自の絵画世界を展開しながらも、ほとんど作品を発表することがなかった筧忠治の初の全貌展です。初期からの画業の歩みを自画像、肖像、風景、猫、静物などの代表的な作品約100点によって紹介しました。初期から描き続けている自画像は、インクや木炭、墨などで描かれ、自らの内面までもえぐり出すように表現されています。その膨大な作品群には素描と本絵という概念をはるかに超えた真の力がみなぎり、対峙する者を圧倒的な迫力で見据えます。

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第15回 衣浦東部美術展

会期:平成10年6月11日から6月28日

衣浦東部地域(碧南市・安城市・知立市・高浜市・刈谷市)で活躍する100人の作家たちによる日本画、洋画、書、写真、彫刻、工芸作品、100点を紹介します。

この展覧会は、当美術館が開館した昭和58年6月に、開館記念展として開催しました「郷土作家百人展」を受け継ぐものです。平成59年度より現在の「衣浦東部美術展」と名称を改めて、平成20年度の第25回展まで開催しました。

刈谷市美術館収蔵品展

会期:平成10年7月1日から7月12日

刈谷市美術館の収蔵品の中から、日本画4点を展示しました。
戦後、新しい日本画の創造に取り組み、絶え間なく制作活動を続けている日本画家の作品を通じて、現代に見られる日本画の世界の一側面を紹介しました。

第14回 愛知教育大学美術教室・総合造形コース教官展(愛知教育大学 美術教育講座 教官展)

会期:平成10年7月29日から8月16日

刈谷市内にある愛知教育大学の美術教室・総合造形コース(美術教育講座)の教官有志による絵画、彫刻、工芸など多彩な作品を紹介しました。
昭和59年度から平成16年度の第20回展まで毎年開催しました。

わくわく美術館 ふしぎないきものたち

会期:平成10年9月12日から10月25日

チラシ:わくわく美術館 ふしぎないきものたち

人間は今も昔も、他のいきものたちと深く関わりながら暮らしています。そして、いきものたちは、古くから美術表現の大切な対象とされてきました。
素材の種類と技法の広がりが、多様で斬新な表現を生み出してきた現代の美術においても、様々な〈いきもの〉の姿があらわされています。そこには、芸術家たちの多様な個性を見ることができ、個々の作家によって意識的に選ばれた素材と技法は、表現手段そのものの特性も明らかにしています。

この展覧会では、作品の制作方法に着目し、素材や技法といった作品の成り立ちを知り、制作の追体験をすることで、作品が持つ豊かな世界に迫ろうとするものです。テーマとして親しみやすい〈いきもの〉を取り上げ、現代作家の〈いきもの〉に対する多彩なビジョンを紹介しました。また、日常の暮らしのなかにある素材を芸術家の視点を通じて再発見し、見直すきっかけとなるよう、実際の素材や制作のプロセス、触れることのできる作品も展示しました。

《出品作家》
天野裕夫、斉藤英則、下川昭宣、下村良之介、田邊英隆、檜山永次、星野眞吾、籔内佐斗司、吉川千香子

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いのち・ものがたる絵たち 瀬川康男展

会期:平成10年12月19日から平成11年1月24日

チラシ:いのち・ものがたる絵たち 瀬川康男展

瀬川 康男(1932年から2010年)は昭和35年に初めての絵本「きつねのよめいり」を発表して以来、1967(昭和42)年「ふしぎなたけのこ」で第1回ブラティスラバ世界絵本原画展グランプリを受賞するなど、絵本作家として国際的にも高い評価を受けてきました。30年余りの作家生活の中から100冊以上にも及ぶ絵本を発表しています。

1932(昭和7)年に愛知県岡崎市に生まれた瀬川は、父親の影響で、幼い頃から美術に親しみました。高校卒業後、上京し、松谷みよ子氏や松居直氏との出会いにより本格的に絵本の仕事を始めます。そして、古今東西の芸術を積極的に吸収し、既成の概念や自らの画風を刻々と変化させてきました。

一方、タブロー、版画、スケッチなど、絵本以外の作品も幅広く手がけ、独特の装飾観による作品を生みだしています。しかし、これまで絵本以外の作品が発表されることは、ほとんどありませんでした。

この展覧会は、待ち望まれた初の全貌展です。瀬川芸術の多彩な作品を絵本原画はもちろんのこと、初公開の初期油彩画や新作のテンペラ画、リトグラフを含めて紹介しました。

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刈谷市美術館所蔵品展

会期:平成11年2月17日から2月21日

刈谷市美術館の所蔵品の中から、平成10年度に購入した作品、寄贈を受けた作品を中心に12点の日本画、油彩画を紹介しました。

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