平成22年度の展覧会(2010年4月から2011年3月)

ページID1001240  更新日 2023年2月12日

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チェコ・アニメもうひとりの巨匠 カレル・ゼマン展 トリック映画の前衛

会期:平成22年4月17日から5月30日

チラシ:チェコ・アニメもうひとりの巨匠 カレル・ゼマン展

カレル・ゼマン(1910年から1989年)は、人形アニメーションや絵本で人気の高いイジー・トゥルンカ(1912年から1969年)と並ぶチェコ・アニメーションの創設者であり、巨匠の一人です。ゼマンは第二次世界大戦中、チェコ・アニメーションの発祥地ズリーンを拠点に制作を開始しました。そして、ジュール・ヴェルヌの原作をもとにした『悪魔の発明』(1958年)などの斬新な映像作品を創り出し、切り絵やガラスなどさまざまな手法を駆使してトリック映画の王道を歩みました。

この展覧会では、遺族が所有する原画や人形、貴重な制作過程の資料や絵コンテなどの展示やアニメーション作品の上映を通じて、ゼマンの創作活動の全容をたどりました。また、ゼマンに多大な影響を与え、「チェコ・アニメの母」と称されるヘルミーナ・ティールロヴァー(1900年から1993年)やフランスのジョルジュ・メリエス(1861年から1938年)との関連性を含めた、チェコ・アニメーション史の草創期もあわせて紹介しました。また、父・ゼマンとともに映画制作に携わった長女・ルドミラの切り紙アニメーションや絵本の原画もあわせてご覧いただきました。

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常設展示 第1期『大正期の洋画愛美社と岸田劉生』

会期:平成22年6月5日から7月11日

当館の主要な収集方針にしている《郷土の美術》の中から、大正期の洋画に焦点を当て、美術館収蔵作品約20点を紹介しました。

当地域と岸田劉生とは関連があるといえます。劉生らが大正4年に結成した洋画団体「草土社」の第1回名古屋展(愛知県商品陳列館)が大正6年に開催されると、名古屋出身の洋画家・大澤鉦一郎(1893年から1973年)は、わずか3日間の開催ながら毎日展覧会に足を運びました。そして、自らの精神性と近い世界観を感じたであろう大澤は、劉生に対抗するように、同年に萬代比佐志、森馨之助、鵜城繁、藤井外喜雄、山田睦三郎、宮脇晴、水野正一(大正10年には参加)と洋画研究グループ「愛美社」を結成し、自画像や肖像、静物、風景など基本的な主題に取り組みながら、細密描写による作風を深化させました。

今回の展覧会では、こうした「愛美社」のメンバーらの油彩画や素描に加え、彼らに刺激を与えた岸田劉生が描いた静物画を合わせて展示し、徹底写実という大正期に興った郷土洋画界の一潮流を紹介しました。

自然を愛した日本画家の饗宴 川合玉堂+現代日本画展

会期:平成22年7月18日から8月29日

チラシ:川合玉堂+現代日本画展

現在の一宮市木曽川町に生まれた川合玉堂(1873年から1957年)は、伝統的な日本画の本質を守りながら情緒あふれる風景画を描き続けた近代日本画の巨匠のひとりです。

この展覧会では、一宮市博物館と玉堂生誕の地にある一宮市立玉堂記念木曽川図書館のご協力により、四季折々の自然とともに人間の営みを詩情豊に描いた玉堂の6作品に加え、刈谷市美術館の収蔵品の中から、玉堂の晩年頃に活動を開始した現代の日本画家による自然や日本の風景を描いた作品約10点を合わせて紹介しました。

宇野亜喜良展

会期:平成22年9月18日から11月3日

チラシ:宇野亜喜良展

戦後、日本を代表するグラフィックデザイナーで、今なお精力的に活動し続ける宇野亜喜良(1934年、名古屋市生まれ)。彼の繊細な描線から生まれる女性や少女たちは、耽美的で妖艶な雰囲気を醸し出し、私たちの心に深く迫ります。

宇野亜喜良は、1950(昭和25)年頃からカルピス食品工業などの企業広告や各種ポスター、絵本を手がけるようになり、鬼才のイラストレーターとして活躍しはじめます。1960(昭和35)年には亀倉雄策らが設立した日本デザインセンターに入社、1964(昭和39)年になると横尾忠則らとデザインスタジオを設立し、アニメーション映画、マックスファクターの新聞広告なども手がけ、さらに1968(昭和43)年からは寺山修司が主宰する演劇のポスターや舞台美術を担当するなど、一躍時代の寵児として幅広く活躍していきます。また、1990(平成2)年には展覧会のキュレーションや舞台の芸術監督を務め、2008(平成20)年には絵本『悪魔のりんご』(舟崎克彦作、宇野亜喜良画)で第13回日本絵本賞を受賞するなど、近年も多彩な分野で活躍しています。

この展覧会では、1950(昭和25)年頃から現在まで長年取り組み続けている「本」のデザインやイラストレーションを中心に、これまでの仕事の全体像を紹介しました。絵本原画をはじめ、各種ポスター、雑誌・新聞の挿絵原画、アニメーション上映なども含めた約500点の展示を通じて、進化し続ける宇野亜喜良の過去から現在、そして未来をご覧いただきました。

常設展示 第2期『没後10年 市川 晃展』

会期:平成22年11月9日から12月19日

刈谷市内にある愛知教育大学で美術教育の発展に約40年間情熱を傾けるとともに、絵画制作にも精力的に打ち込んだ郷土ゆかりの画家・市川晃(1922年から2000年)が没後10年にあたることから、その画業を振り返る特集展示を行いました。

今回の展覧会では、初期の写実的な静物画をはじめ、家族や農民をモチーフにした人物画、実験的な抽象作品、そして、故郷・三河地方に伝わる祭りや海外の民俗芸能を題材にした“祭り”のシリーズなど、美術館所蔵品の中から選りすぐった約15点を展示しました。

常設展示 第3期『New Collecitions』

会期:平成23年1月11日から2月20日

平成21年度に新しく刈谷市美術館のコレクションに仲間入りした新収蔵作品を公開しました。
平成21年度は購入や寄贈によって45件の作品を収集することができました。その中から、郷土・愛知ゆかりの作家の油彩画をはじめ、コレクションの新たな軸として拡充している河目悌二の絵雑誌原画などを中心に紹介しました。

常設展示 第4期『カリヤ美術どうぶつ園』

会期:平成23年2月26日から4月3日

今回の展覧会では、刈谷市美術館の収蔵作品の中から、動物が表現された絵画と彫刻作品に加え、動物が登場する絵本の原画をあわせてご紹介しました。それぞれの作家たちの多様なる動物表現をとおして、人間と動物、あるいは人間と社会などさまざまな関係に思いをめぐらせてご覧いただけたと思います。

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