平成18年度の展覧会(2006年4月から2007年3月)

ページID1001244  更新日 2023年2月14日

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トロースドルフ絵本美術館展 赤ずきんと名作絵本の原画たち

会期:平成18年4月22日から5月28日

チラシ:トロースドルフ絵本美術館展 赤ずきんと名作絵本の原画たち

トロースドルフ絵本美術館のコレクションを特徴づける「赤ずきん」コレクション。「赤ずきん」の熱心なコレクターであったヴァルトマン夫妻により寄贈されたこのコレクションには、19世紀初頭の貴重な童話集や20世紀前半の時代の雰囲気を伝える興味深い絵本の他、「赤ずきん」をキャラクターにしたカードやパズルなどの小物、作家から夫妻に贈られたイラストや手紙などユニークなものも含まれています。

誰もが知っている「赤ずきん」ですが、民話からはじまりペローやグリムの物語を経て、さまざまな解釈が生まれ発展してきました。挿絵に描かれる「赤ずきん」の姿も可愛らしい女の子から大人の女性などがあり、狼も恐ろしいものから弱々しいものまで登場して、バラエティーに富んでいます。

この展覧会では、そのコレクションの中から約350点を展示し、過去200年もの間愛され続けてきた「赤ずきん」の魅力に迫りました。

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常設展示 第1期『特集展示 和田英作と小堤西池のかきつばた』

会期:平成18年6月3日から7月16日

平成17年度の収集作品を中心に公開しました。平成17年度は購入や寄贈、寄託により11点の絵画作品等を収集することができました。

日本近代洋画の黎明期から活躍した巨匠、和田英作は、戦時中から戦後にかけての6年間余りの間、知立に疎開して、逢妻川や小堤西池のカキツバタなど当地の風景画や、地元の方々から贈られる花や果物などの静物画の制作に励みました。
このたびの収集の中に、こうした刈谷と所縁の深い作品の寄贈があり、この展覧会では、特集展示として、和田英作と刈谷北部の名勝地・小堤西池との関わりについて紹介しました。

松岡徹展 カリヤファンタジー計画

会期:平成18年7月22日から9月3日

チラシ:松岡徹展 カリヤファンタジー計画

夏休みのある日、少年は空飛ぶねこトイレ(1)を目撃した。
追いかけていくと、たどり着いたのは取り壊しがはじまった古い送信所(2)だった。
そこで少年は謎の生命体を探す博士と出会い、「カリカリ星人」の存在を知ることになる。
少年はカリヤファンタジー計画(3)と名付けられたその調査を手伝うことに。
次々と発見される「カリカリ星人」の秘密。
彼らはいったいどこからやって来たのか。どこに行くのか。
空飛ぶねこトイレとは…。町中にひろがる謎と冒険。
2006年夏、少年と博士が探した冒険の扉がひらく。

  1. 刈谷市内のいくつかの公園には、ねこやパンダ型といったユニークなトイレがある。ほかにもサッカーボール型などもあり、憩いの場として親しみのある空間を演出している。
  2. 刈谷市内にあった依佐美送信所(よさみそうしんじょ)は、1929(昭和4)年に設立された欧州との通信施設。戦後は米軍が使用。1997(平成9)年に8本の鉄塔、2006(平成18)年5月に送信室が解体された。なお、跡地隣に送信所記念館とフローラルガーデンが2007(平成19)年4月にオープンされた。
  3. 松岡徹は今回の個展のために、市内要所を舞台にした架空の物語を作り上げた。

この展覧会ではこの物語にまつわる松岡の立体作品や写真、ドローイングなどを展示しました。「カリヤファンタジー計画」とは物語や作品を通して、観客をどこかおかしなファンタジーの世界へお誘いしようとする計画です。不可思議な松岡ワールドを体感することができる展覧会です。

常設展示 第2期『郷土の洋画』

会期:平成18年9月16日から10月29日

愛知における近代洋画への道は、西洋の直接的な影響を受けた東京からの帰郷者が明治10年代頃から教職に就いて移入するなど、他県と同様、中央から地方へと徐々に伝播されていくことで黎明を迎えました。

明治30年代になると、中央から帰郷した画家が洋画グループを結成するなど本格的な展開を見せはじめ、明治40年代には、日本画と洋画とを併せた、全国初の民間による総合美術団体「東海美術協会」が設立され大規模な公募展の開催も行われるようになって愛知画壇の基盤が成立していきます。
大正期以降には、東京から来た初の洋画展であった岸田劉生率いる「草土社」の名古屋展が開催されるなど、中央の新しい動きや海外で起こる運動に刺激を受け、あるいは大きな力を持っていた「東海美術協会」に対抗するようにと、次々と新たなグループが生まれ、また、愛知から直接海外に渡って学ぶ画家も増えるなど、にわかに活気づいていきました。

この展覧会では「日本近代洋画への道」の開催に併せて、当館コレクションの中から愛知に所縁のある近・現代の洋画家の作品を展示しました。こうした時代と共に移り変わりを見せる多様な表現方法で描かれた作品により、愛知の洋画界を築き上げてきた画家たちの足跡の一端を紹介しました。

日本近代洋画への道 山岡コレクションを中心に

会期:平成18年10月16日から10月29日

チラシ:日本近代洋画への道 山岡コレクションを中心に

日本における近代洋画の本格的な始まりは、西洋から様々な文化が流入し始めた江戸後期から明治にかけてのことでした。初めて西洋の絵を目にした当時の画家たちにとって、何よりも新鮮な驚きだったのは、その迫真的な表現でした。その「リアル」な表現に魅了された彼らは、さっそく西洋絵画の技法を身につけようと試行錯誤を繰り返し、しだいに新しい芸術の創造を目指して一歩ずつ歩みだしていきました。

この展覧会では、実業家・山岡孫吉氏(1888年から1962年、ヤンマーディーゼルの創業者)によって蒐集された作品の中から、約70作家の約170点によって日本の洋画草創期の歴史を振り返ろうとしたものです。山岡コレクションは日本近代洋画史の貴重な宝庫であり、長い間一部の研究者のみが知る幻のコレクションとされていました。新しい時代の息吹に刺激され、近代を切り開いてきた画家たちの苦難の足跡紹介しました。

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常設展示 第3期『ありがとう!チョーさん 長新太展ナノヨ』

会期:平成18年11月4日から平成19年1月14日

チラシ:常設展示 第3期『ありがとう!チョーさん 長新太展ナノヨ』

現代を代表する絵本作家であり、漫画家である長新太(1927年から2005年)。その仕事は、コマ漫画から出発し、最初の子ども向けの本『新聞ができるまで』をはじめとして、絵本、挿絵、漫画、エッセイなど、出版メディアを中心として縦横無尽に展開されました。

1958(昭和33)年、絵本作家でありデザイナーであった堀内誠一の勧めで、はじめての絵本『がんばれさるのさらんくん』を手がけて以来、ナンセンスを基調としたユーモアあふれる多くの絵本を発表しました。奇想天外な発想や展開、独特的で大胆な表現方法は異彩を放ち、1959(昭和34)年『おしゃべりなたまごやき』で第5回文藝春秋漫画賞、1977(昭和52)年『はるですよふくろうおばさん』で第8回講談社出版文化賞絵本賞、1981(昭和56)年『キャベツくん』で第4回絵本にっぽん大賞、2005(平成17)年『ないた』で第10回日本絵本大賞などを受賞しています。

また多感な年頃に、戦後まもなく日本へ紹介されたソール・スタインバーグやアンドレ・フランソワ、ジェームズ・サーバーなどの漫画家に興味を持ち、彼らの作品を通じて社会的な批判精神を養いました。1967(昭和42)年には当時結成された「ベトナムの子供を支援する会」からの依頼を受け、反戦野外街頭展覧会にポスター作品を出品、1972(昭和47)年『へんですねぇ へんですねぇ』(今江祥智・文)を発行するなど、その鋭いまなざしは社会へ、そして人間、作家自身へと生涯向けられ続けました。

この展覧会では、400冊以上の絵本の中から代表作や初公開の作品などを含む約100点の原画を展示するほか、漫画の初版本や遺品や蔵書などの資料等により、ナンセンス絵本の王様、長新太の魅力とその人間像をご紹介しました。

 

衣浦東部美術展

会期:平成19年1月4日から1月14日

衣浦東部地域(碧南市・安城市・知立市・高浜市・刈谷市)で活躍する100人の作家たちによる日本画、洋画、書、写真、彫刻、工芸作品、100点を紹介します。

この展覧会は、当美術館が開館した昭和58年6月に、開館記念展として開催しました「郷土作家百人展」を受け継ぐものです。平成59年度より現在の「衣浦東部美術展」と名称を改めて、平成20年度の第25回展まで開催しました。

常設展示 第4期『現代の日本画 花鳥風月の美』

会期:平成19年1月20日から4月8日

季節がはっきりと変化する日本では、四季折々でさまざまな自然の姿を見ることができます。自然界の美しい風物を言い表す“花鳥風月”、冬の雪、秋の月、春の花を合わせた“雪月花”といった言葉があるように、日本人は古くから自然に風情を感じ、あるいは崇敬の念を抱きながら生活してきました。こうした“花鳥風月”や“雪月花”は、古来より詩歌や絵画などの重要な題材となり、とりわけ美術の世界では、草花に鳥などの動物や昆虫を加えた“花鳥画”や、自然景観を主題に描いた“山水画(風景画)”が多く描かれ、その歴史は現代まで及んでいます。

この展覧会では、“花鳥風月”をテーマに、コレクションの中から現代の日本画家らの作品を紹介しました。新春を迎え、日ごとに自然の息吹を感じられるようになるこの季節、自然を慈しんできた日本の美意識の世界をお楽しみいただきました。

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