国の私学助成の拡充に関する意見書(平成30年9月27日)

ページID1001362  更新日 2021年3月1日

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私立学校は、国公立学校とともに公教育の場として重要な役割を担っており、国においても、昭和50年に学費の公私間格差是正を目的とした私立学校振興助成法を制定し、各種助成措置が講じられてきた。
とりわけ私立高校生に対する「就学支援金」については、平成26年から、年収250万円未満の家庭には29万7,000円、年収350万円未満の家庭には23万7,600円、年収590万円未満の家庭には17万8,200円、年収910万円未満の家庭には11万8,800円を給付する制度が始められ、非課税世帯への奨学給付金制度とも相まって、学費滞納・経済的理由による退学者が大幅に減少するなど、これまでの国の私学助成政策は着実に成果を生んでいる。
しかしそれでもなお、年収910万円未満の家庭が無償化され、それ以上の家庭でも年間約12万円の学費で通うことのできる公立高校と、入学金や施設設備費等も含め初年度納付金で約65万円(愛知県私立高校平均)の学費を負担しなければならない私立高校との間では、学費負担の格差はあまりにも大きく、子どもたちは学費の心配をせずに私学を自由に選ぶことができず、「公私両輪体制」にとって極めていびつな事態は解消されていない。
昨年10月の総選挙では、全ての政党が「教育費無償化」「私学の無償化」を公約に掲げ、12月には政府も消費増税による「2兆円パッケージ」として「年収590万円未満の私立高校無償化」の制度設計を発表した。これを受けて、神奈川県では今年度から「年収590万円未満の授業料無償化」を先行実施し、大阪府(年収590万円未満の学納金無償化)・東京都(年収760万円未満の授業料無償化)・埼玉県(年収609万円未満の学納金無償化)など、私立高校の無償化は全国的な潮流となっている。
愛知県においても、高校生の3人に1人が私学に通っている。90%以上が進学する高校教育において、学費の「公私格差是正」「教育の公平」は、全ての子どもと父母の切実な願いであり、その土台となる国の就学支援金制度の拡充は、喫緊の課題となっている。
また、財政が不安定な私学では、経営に対する不安から「一年契約の期限付き教員」の採用が増え、各学園の教育を揺るがしかねない事態も広がっている。私学助成の国庫補助と地方交付税交付金による経常費助成の国基準単価を、来年度も引き続き拡充していくことが求められる。
よって、国の責務と私学の重要性にかんがみ、父母負担の公私格差を是正するために「就学支援金」を一層拡充するとともに、私立学校振興助成法に基づく国庫補助制度を堅持し、私学の国庫補助金と、それに伴う地方交付税交付金を充実し、私学の経常費助成の一層の拡充を図られるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年9月27日
刈谷市議会

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