愛知県の私学助成の拡充に関する意見書(令和元年9月26日)

ページID1001360  更新日 2021年3月1日

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愛知県では高校生の3人に1人が私学に通っており、私学は「公教育」の場として、「公私両輪体制」で県の「公教育」を支えてきた。そのため、父母負担と教育条件の公私格差を是正することは、長年にわたって県政の最重点施策と位置付けられ、県議会・県当局をはじめ多くの人々の尽力によって、各種の助成措置が講じられてきた。とりわけ、平成28年までの3年間で、国の就学支援金の加算分を活用して従来の授業料助成制度が復元され、授業料本体については、甲ランク(年収350万円未満程度)は無償、乙1ランク(年収350万円以上610万円未満程度)は3分の2、乙2ランク(年収610万円以上840万円未満程度)は半分が助成されることとなり、国の奨学給付金制度とも相まって、私立高校の経済的理由による退学者が大幅に減少するなど、その施策は、私学に通う生徒と父母を支える大きな力となってきた。期限付きの常勤講師を抑制して専任教員を増やす制度も整えられてきた。
また、今年度予算においては、懸案であった入学金補助が授業料助成と同じ算定方式で増額され、高校経常費助成の国基準も確保された。
しかし、年収910万円未満まで無償化され、それ以上の所得層でも年間約12万円の負担で通うことができる公立高校に対して、私立高校においては、上記の助成額を差し引いても、乙ランクで約26万円~約36万円、県の助成の対象外の家庭では約53万円~約65万円を負担しなければならず、子どもたちが学費の心配をせずに「私学を自由に選べる」状況にはなっていない。一昨年から「高校選択の自由」の名の下に、公立高校の入試制度改革が実施されたが、学校選択の幅を広げようとするのであれば、まず、学費の公私格差を解消して私学をも自由に選択できる条件、環境をつくることが大前提である。
大阪府では府の独自予算で「年収590万円未満では学納金を無償化」「年収800万円未満は年間学費負担を10万円以下」にしており、東京都では「年収760万円未満」世帯の授業料が無償化された。京都府は年収500万円未満で授業料が、埼玉県は年収609万円未満で学納金が無償化されている。神奈川県は国の無償化政策の動向を先取りする形で、昨年度から年収590万円未満の授業料無償化を実施した。
大都市を中心に、「私学も無償に」が大きな潮流となる中、愛知県では、年収350万円未満の「授業料・入学金の無償化」が実現しているものの、所得の中間層においても学費の大きな負担が残っており、「父母負担の公私格差の是正」は抜本的な解決に至っておらず、私学に入学する生徒の多くが不本意入学という「公私両輪体制」にとっていびつな状況が続いている。
よって、「私学選択の自由」に大きな役割を果たしている授業料助成・入学金助成を無償化枠の拡大も含め抜本的に拡充するとともに、経常費助成を増額し、国からの財源措置(国基準単価)を土台に、学費と教育条件の「公私格差」を着実に是正できる施策を実施することを要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年9月26日
刈谷市議会

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