平成13年度の展覧会(2001年4月から2002年3月)

ページID1001249  更新日 2023年3月3日

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ストラスブール市コレクションによる トミ・ウンゲラーの仕事 絵本・ポスター・彫刻

会期:平成13年5月3日から6月10日

チラシ:トミ・ウンゲラーの仕事 絵本・ポスター・彫刻

20世紀の絵本界を代表する芸術家、トミ・ウンゲラーは、「すてきな三にんぐみ」や「へびのクリクター」などの一風変わった絵本の作家として親しまれています。一方で、ポスター作品は日本のイラストレーターたちにも大きな影響を与えました。しかしこれまで、多岐にわたるウンゲラーの創作活動は、ほとんど紹介されてきませんでした。

この展覧展は、ウンゲラーが故郷フランスのストラスブール市に寄贈した数千点に及ぶ作品の中から選りすぐった絵本原画やポスター、そしてあまり知られていなかった彫刻作品など177点を紹介する日本で初めての本格的な回顧展です。

ユーモアにあふれた子どもの本、現代社会を鋭く諷刺したエロティックなポスターやイラストレーション。一見すると全く違った作品世界ですが、多様な作品群を一堂に観覧すると、一貫した独特な作風が確かに存在しています。多感な少年期を、独仏の狭間で苦難の歴史を繰り返してきた故郷アルザスで過ごし、アメリカ、カナダやアイルランドなど、住まいを転々と変えながら40年間にわたって制作を続けてきたウンゲラー。彼の創作活動には時代や場所が大きく関わりつつも、「人間」と「生」に対する真摯な目はいつも変わらず、世界を見つめ続けています。

大人も子どもも楽しんで見るうちに、ふと考えさせられる、そんなウンゲラーの魔力にあふれた展覧会となりました。

第17回 愛知教育大学美術教室・総合造形コース教官展(愛知教育大学 美術教育講座 教官展)

会期:平成13年7月18日から7月29日

刈谷市内にある愛知教育大学の美術教室・総合造形コース(美術教育講座)の教官有志による絵画、彫刻、工芸など多彩な作品を紹介しました。
昭和59年度から平成16年度の第20回展まで毎年開催しました。

刈谷市美術館収蔵品展 美術館で夏休み

会期:平成13年8月1日から9月9日

子どもたちを対象とし、夏休み期間中に開催した展覧会で、「うごき」をテーマに収蔵作品を紹介しました。
実際には作品で表現された事物は動きませんが、見方を変えてみることで、走る、ジャンプする、転ぶ、立ち止まる、…などといった動きを見つけていきました。

また、会期中いつでも参加できるプログラムとして「ぐるぐるアニメ」や「なりきりポーズ」を行ったり、つくる⇔みるプログラムとして「ボディbody・すたんぷ」、「かんたん!アニメーション」も開催しました。

ハンス・フィッシャー絵本の世界展

会期:平成13年9月22日から11月4日

チラシ:ハンス・フィッシャー絵本の世界展

「ブレーメンのおんがくたい」や「こねこのぴっち」などの絵本の作家として親しまれているハンス・フィッシャー。彼は絵本の仕事の一方で、版画家、壁画家、そして舞台美術家として、多岐にわたる分野で優れた作品を生みだしたスイスの芸術家です。

1909年ベルン市で生まれたフィッシャーは、生涯のほとんどを美しい自然に囲まれた故国スイスで過ごします。はじめに装飾画を、チューリッヒの芸術学校で版画を学んだあと、パリの広告会社で働きながら勉強を続けました。帰国後の1933年頃から、雑誌の諷刺画やアニメーションなどのさまざまな仕事をはじめます。特にチューリッヒの劇団「コルニション」の舞台美術は、美術界で高く評価されました。

1938年には、最初の壁画をベルン動物園に描き、晩年まで精力的に壁画の制作に取り組みました。1944年はじめての絵本「ブレーメンのおんがくたい」を長女ウルスラへのクリスマスプレゼントとして贈り、以後、49歳で亡くなるまで子どものための本を発表し続けました。また、国際的な版画家として1952年のヴェネチア・ビエンナーレ展に出品し、1955年のサンパウロ・ビエンナーレ展ではグラフィック賞を受賞しています。

子どものための絵本や壁画、版画、舞台美術。全く異なって見える作品分野ですが、多様な作品群には、フィッシャーの一貫した作風が存在しています。リズミカルで生き生きとした線描と軽やかで繊細な色彩。そして、自然と子どもと音楽をこよなく愛したフィッシャーのあたたかなまなざし。それぞれの作品を見渡すと、絵本にも壁画にも版画にも、彼の愛する生きものが自由自在にイマジネーション豊かに登場しています。すべての作品が互いに響き合いながら、彼の芸術世界を構成しているのです。

この展覧会では、「ブレーメンのおんがくたい」や「こねこのぴっち」をはじめとした絵本原画や素描、貴重な手描き本、壁画の下絵、教科書のさし絵など約150点を展示し、軽快でピュアな魅力にみちたフィッシャー芸術を紹介しました。

箱イリ美術

会期:平成13年9月22日から11月4日

チラシ:箱イリ美術

この展覧会は、私たちの日常生活に密着している箱をテーマとして取り上げて、その形態を表現に導入している現代日本の作家5名の作品を紹介しました。

日常誰もが使っている箱状のものは、内側にひとつの独立した空間を作り出す性質をもっています。そこには単に物を収納する用具を超えて、子供のころになれ親しんだオモチャ箱やお弁当箱などから感じられたように、不思議な世界や特別な思いが存在していたり、また説話・浦島太郎で約束を忘れて開けてしまった玉手箱のように何か秘密めいたものが潜んでいることがあるようです。

開けてみたい、覗いてみたいという衝動をもたらす装置ともなる箱の形態。箱のなかを覗きこむことで、5名の作家がそれぞれの素材と手法で形成した個々の作品世界へと誘います。そこにはいったい何が込められているのでしょうか。想像力を解き放ち、箱を通して広がる不思議な美術の世界をお楽しみいただきました。

《出品作家》
内倉ひとみ、神山明、酒井賢司、杉山健司、平林薫

図録「箱イリ美術」販売中

第18回 衣浦東部美術展

会期:平成13年12月20日から平成14年1月20日

衣浦東部地域(碧南市・安城市・知立市・高浜市・刈谷市)で活躍する100人の作家たちによる日本画、洋画、書、写真、彫刻、工芸作品、100点を紹介します。

この展覧会は、当美術館が開館した昭和58年6月に、開館記念展として開催しました「郷土作家百人展」を受け継ぐものです。平成59年度より現在の「衣浦東部美術展」と名称を改めて、平成20年度の第25回展まで開催しました。

第8回 刈谷市美術館 所蔵品展 上原欽二展 初期風景画から琵琶湖の葦シリーズまで

会期:平成14年2月20日から3月24日

2001(平成13)年11月にご逝去された上原欽二氏を偲び、コレクションの中から上原氏の作品を展示しました。
上原氏(1915年から2001年)は、岡崎市康生町に生まれました。1940(昭和15)年愛知県岡崎市師範学校専攻科を卒業後、教員となり、1943(昭和18)年には春陽展に初入選、以後同展や写実画壇展を中心に中部洋画壇のリーダーとして活躍し続けました。
この展覧会では、初期の風景画にはじまり、1970年代頃より自己の精神性を投影し描き続けた「ひまわりシリーズ」、そして琵琶湖の「葦シリーズ」に至る近作など、約10点をご紹介し上原氏の画業を振り返りました。

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