新たに文化財を指定しました
令和5年2月15日、市指定史跡「井ケ谷古窯跡群」について、追加指定および部分解除しました。
【追加指定】松根第3号窯
所有者
国立大学法人愛知教育大学
内容
松根第3号窯は、刈谷市北部に所在する井ケ谷古窯跡群(いがやこようせきぐん)に属し、愛知教育大学の建設に伴い昭和44年に発見された古窯跡です。
令和4年度に刈谷市が実施した確認調査の結果、窯は半地下式の窖窯(あながま)で、焚口及び燃焼室、分炎柱(ぶんえんちゅう)までを欠きますが、焼成室から煙道部までは比較的良好に残存していることが確認されました。出土した山茶碗の型式から12世紀末葉~13世紀初頭の窯と考えられます。残存部は長さ7.0m、幅2.3mで、焼成室と煙道部の間にダンパー状遺構も確認されました。焼成室の土層の調査から、少なくとも2回焼成した後、炭焼き窯に転用され、最終的に天井崩落により廃絶されたと推測されます。
本古窯跡は、井ケ谷古窯跡群における中世山茶碗窯の典型的な形態・構造を有しており、操業の時期や廃絶までの過程をうかがい知ることができます。また、現在まで大学によって現地保存され、常時見学が可能である点は、井ケ谷古窯跡群の古窯跡の中では他に例がなく、刈谷における窯業の歴史を知る上で重要な史跡といえます。
また、これまで指定名称は「井ケ谷古窯群(いがやこようぐん)」としていましたが、井ケ谷古窯が属する「猿投山西南麓古窯跡群(さなげやませいなんろくこようせきぐん)」においては「古窯跡群」とすることが多いため、今回の追加指定にあわせて、指定名称を「井ケ谷古窯跡群」と改めます。


【部分解除】寺山古窯(寺山第1号窯)ほか 計24基
内容
現在「井ケ谷古窯跡群」を構成している31基について、分布調査を行ったところ、24基の古窯について、埋没または滅失の可能性が高いことがわかりました。これらは、史跡としての価値が大きく損なわれているものや、窯本体の位置が特定できておらず区域指定が困難なものであることに加え、その多くが個人の所有地であるため、史跡「井ケ谷古窯跡群」から部分指定解除します。
関連情報
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